世界最大のIT国家!インドが多くのエンジニアを排出している理由

今や、シリコンバレーの管理職の6割ほどがインド人です。
シリコンバレーのIT業界で働く人の半数ほどがインド人だとも言います。
エンジニアなどIT業界で最先端を走っている人のイメージは米国人というイメージがあったのは、筆者だけでしょうか?
そもそも、インドのIT産業の規模は、2014年には12兆円にも上ります。
同年の日本は14兆円ですが、インドの人口は12億人。
半分が24歳以下という若者が多い国です。そうなると、インドの生産率がとても高いことが分かります。

インドっていつからIT産業を取り入れたの?

そもそも、インドでは80年代頃に少数の若者達が、ITを勉強にし米国へ行き、学んだ技術をインドに持ち帰りました。
同時にインド初のコンピューターが輸入されたのも、この時期です。
インドのIT産業の割合は、業務委託が40%、ソフトウェア開発が20%、残りの40%にエンジニアリング・製品開発となっています。

インド人の勉強に対するポテンシャルの高さ

日本で掛け算は小学校2年生で学びます。
しかし、インドでは幼稚園(4歳)から学び始めます。覚え方は日本と全く一緒で、簡単な2の段や5の段から始めます。他にも、インドでは、日本で小学1年生の年齢で割り算を覚え、小学2年生で3桁の掛け算を学びます。
理数の科目が世界水準でも高いと言われている日本と比べても、インドの教育事情は全くヒケを取っていない。
というか、むしろ先を走っていると言えるでしょう。

インドに残るカースト制度による格差とその教育事情

2桁の掛け算を暗算するほどの頭脳を持つインド人ですが、インド内の教育事情は整っているとは言えません。急速な経済成長の反面、インフラ環境が整っておらず、依然として貧困層が多くいるのが現実です。
インドはヒンドゥー教が全体の8割ほどを占めますが、ヒンドゥー教の厳しい階級制度があるため、貧困層には勉強する機会すら与えられることがありません。
インドは米国の大学院への留学生数が世界No.1です。
しかし、一方で大学の進学率は世界ワーストという実情もあります。
その真意は、社会格差によるものであり、生まれた家柄の経済力によって、教育の選択が決まってしまいます。
そして近年の経済発展により、その格差が開いてきています。教育を受けていない貧しい家に生まれた子は、一生勉強に触れることすらありません。
一方、裕福な家庭に生まれた子は私立高校を出て、米国に留学する。など、勉強することの自由が生まれます。
インドの人口は12億5000万人と、世界第2位の人口をを誇る大国です。
シリコンバレーで働く人の2人に1人がインド人だとはいえ、格差社会により、大学まで進む人がごく一握りの少数でしかないことが分かります。

エンジニアを育てるプロジェクトが進行中

貧困層に向け、教育機関「ベアフット・カレッジ(裸足の大学)」なるものが進んでいます。
ベアフット・カレッジには、郵便局や住居、病院からゲストハウスまであり、不自由なく勉強に打ち込める環境が整っていて、ここでは、エンジニア、メカニック、教師、医者、設計士などになるべく、日々訓練が行われています。
今まで、勉強を受けることがなかった女性達が成功することにより、地域での影響力や、何かに貢献したいと考えるようになり、地域全体の活性化にも繋がっています。
このように勉強が出来る状況をおくことで、貧困層の減少にも一役かっているのです。
ベアフット・カレッジにて訓練を受けたおばあちゃんが、自身で27人の女性に技術を伝授。
その後、100人ほどが暮らす村に太陽光発電を設置し、明かりを灯したなんていう、なんだかホッコリと嬉しくなるニュースもありました。
ベアフット・カレッジでは、成績優秀な人は受け入れておらず、それはリテラシーが低い人・貧困層を中心に技術者に育て上げる。というのが目的だからです。
これらのことから分かるように、インドのIT産業が活発になるということは、格差社会の撲滅に繋がっており、深刻な社会問題解決でもあるのです。
今やインドはIT大国とも呼ばれるほどに、成長している。
その実態には、国を上げてのプロジェクトが進んでいたり、勤勉な国民性が相乗効果となり、このように呼ばれるようになったのかもしれません。

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