転職エージェントはなぜ非公開求人を扱えるのか?

■求人を非公開にする転職エージェント側の事情
転職エージェントが取り扱う求人の特徴と言えば、
何と言っても非公開求人が多いことです。
転職エージェント全体でみれば公開求人はわずか2割ほどであり、
残りは登録手続きをしないとその存在さえ知ることのできない案件ばかりです。
なぜこのようなシステムを採用しているかというと、
転職エージェントは企業に人材を紹介し、
企業がその人材を採用すると同時に支払う紹介料によって成立しているビジネスだからです。
紹介した人材が採用されることで初めて利益が発生するのに、
求人を公開してしまっては転職エージェントを通さずに応募する人が増え、
ビジネス自体が成り立たなくなってしまいます。
しかしエージェント側の事情は理解できるにしても企業側としては求人を公開したほうが、
人が集まりやすくてメリットが大きいのではないかと思うかもしれません。
もちろん、企業側が求人の非公開を許しているのにも理由があるのです。
■求人を公開できない企業側のやむを得ない事情
ひとつは、企業側に求人募集を公開したくない理由がある場合です。
例えば新規事業を計画している際は、その情報をライバル企業に知られたくありません。
とはいっても、事業に携わるスタッフは早めに集めておく必要があります。
そういった場合は、転職エージェントの力を借りて非公開のまま人材を探してもらおうというわけです。
また、リストラを行う場合でも、
ピンポイントに人を補充しなければならない場合があります。
こうした時も、従業員からの反発を避けるために同じような手法を使うことがあります。
さらに、役員クラスの人材を探す場合も株主や関連会社などに与える影響を考えて公開求人はしないのが普通です。
■人材選別の効率化を図るための非公開求人
ただし、以上のようなケースはあくまでも例外です。
より多くの企業が求人の非公開を認めているのにはもっと根本的な理由があります。
それは企業が転職エージェントに期待しているのが単に数合わせのための人材集めではなく、
優秀な人材を紹介してもらうことにあるからです。
優秀な人材のための求人ですから、
当然、一般の求人と比べると待遇面は好条件です。
そんな求人を一般公開すれば、
企業が求めるレベルに達しているかどうかなど関係なく応募者が殺到してしまいます。
それを選定するだけで大変な手間となり、
リソースを浪費して大きな損失を生んでしまうことにもなりかねません。
ところが、非公開求人として転職エージェントに扱ってもらうと、
エージェント側で企業の希望に合致している人材だけを選別して紹介することになるので、
選定の手間を大幅に削ることができるのです。
エージェント側と企業側の思惑が合致しており、
尚且つ、利用者にとっても無料で転職を支援をしてもらえるという、
誰にとってもWinWinなシステムと言えます。

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