転職エージェントの取り扱い案件の約8割が非公開案件なのはなぜか?

■転職エージェントに非公開案件が多い不思議
転職を考える際、転職エージェントは心強い味方になります。
それは、専門のスタッフが自分の希望に沿って仕事を探してくれるという点も大きいのですが、
何よりも魅力なのは、一般には公開されていない非公開案件が豊富に揃っているところです。
転職エージェントが扱っている求人募集の内、
約8割は非公開案件なのですから自分で求人募集を見て仕事を探すのと比べると一気に選択の幅が広がってきます。
ただ、非公開があまりにも多いことに対しては不思議に思うかもしれません。
公開できないような特殊な仕事なのかと訝る人もいるでしょう。
特殊な事情があるというのは一面においては事実です。
しかし、それは非公開案件が多いことの本質的な理由ではありません。
■企業が一般募集をかけられない特殊な事情
確かに、特殊な事情を抱えた求人というものは存在します。
例えば、極秘のプロジェクトの存在をライバル会社に知られたくないといった場合です。
一般募集でスタッフを集めるとプロジェクト自体が白日の下に晒されますから、
そういった時は非公開で人を集めます。
あるいは、ひとつの部署のリストラと並行して他の部署の事業拡張を行うということがあります。
人員整理をしながら新たに人を募集すると内部から不満の声が上がるので、
そういう時もこっそりと人を集めるというわけです。
さらには、一般募集をかけると応募者が殺到してしまって選出が大変なので、
エージェントからの紹介という形で効率よく人材を集めたいといったケースもあります。
ただ、こういったものはあくまでも特殊なケースであり、
それだけで非公開案件が8割にも及ぶことはないのです。
■非公開案件は転職エージェントの大切な収入源
そもそも、転職エージェントはどのようにして収益をあげているかご存知ですか。
転職先を紹介しても転職する人間にお金を要求することは一切ありません。
逆に、企業の方から紹介料をもらうことで利益を得ているのです。
その際に、求人募集を一般公開してしまえば、
多くの者はエージェントを通さずに直接企業の方に応募をしてしまって紹介料がもらえなくなってしまいます。
公開求人でもそれをサイトに掲載するための月額固定費はもらっています。
しかし、採用が決まった時に支払われる紹介料は採用者の年収の3割以上という非常に大きなものです。
例えば、年収500万円の求人募集に対してエージェント側からの紹介で採用者が決まると、
企業側から150万円以上をもらえることになります。
これは転職エージェントの収益の要となるものであり、
その収入源を損なわないために取り扱っている求人案件の大半を非公開にしているのです。

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