■「フロントエンドエンジニア」とは
フロントエンドエンジニアとは、
PCサイト・スマートフォンサイトの構築やアプリ開発などを、
HTML、CSS、JavaScript等を用いてインターフェイス開発を行う技術者のことです。
これまでコーディングと言われる工程はwebデザイナーがデザインから全て行うか、
もしくはコーダーと呼ばれる職種が行うことがほとんどでした。
しかし、デバイスが多様化したことでレスポンシブデザインや、
HTML5、CSS3、JavaScriptの一般化は進み、
「コーディングが出来る」というだけでは技術不足とされるようになりました。
そこで、より高度な技術が求められるコーディングのプロフェッショナルのことを
「フロントエンドエンジニア」と呼ぶようになりました。
■「フロントエンドエンジニア」の仕事内容
フロントエンドエンジニアは、名称に「エンジニア」と付く通り、
従来のコーダーよりも技術者としての役割を求められます。
つまり、プログラマの要素を兼ね備えたコーダーという事になりますので、
webサイト構築やアプリ開発において、
HTML設計・CSS設計・JavaScripの実装を行うのは当然のことながら、
尚且つ同時に、web標準とアクセシビリティを意識したコーディングで、
保守性のある誰もが更新しやすい優れた構築を行わなければなりません。
HTML上どう設計されているかは、
ブラウザ上の表示が同じであれば一般の人が見る分には違いはありませんが、
「何も意識されていないコーディング」と「計算された美しいコーディング」というのは、
web制作現場からすると大きな差があります。
「何も意識されていないコーディング」はシステムを組み込む際、
バックエンド側のエンジニアにストレスを与え、
さらに、そのままリリースする事は、web標準上の問題だけでなく、
運用していく上でも、更新のしにくい保守性の乏しい物となるのです。
またフロントエンドエンジニアは、
「デザイナー」─「フロントエンドエンジニア」─「バックエンドエンジニア」
というフロント側とバックエンド側の中間という立ち位置から見える、
UI・UX構築の見地への積極的な参加が求められることが往々にしてあります。
例えばデザイナーが提出したデザインが美しいものであっても、
それがどのデバイスでも違和感なく実装できなければ意味がないですよね。
つまりフロントエンドエンジニアは、
ユーザーが体感として気持ちいと思えるような動きを実装しつつ、
他の誰が触っても分かりやすい設計で運用のしやすい、
webサイト構築やアプリ開発を行うことです。
ユーザー側・システム側・運用側の全ての目線で考えられなければならないわけですから、
そういった面でもやはりプロフェッショナルな職種であると言えます。
■「フロントエンドエンジニア」の需要
これまではコーディングという作業工程は、安価な国内のクラウドソーシングであったり、
より安価な海外のコーダーへアウトソーシングされていくのではないかと言われていました。
しかし、HTML5、CSS3、JavaScriptの一般化が進んだことで、
フロント側で対応できることが多くなり、
webデザイナーやコーダーでは対応しきれない状況になりました。
これにより、高い難易度の構築が可能なフロントエンドエンジニアの重要性は高まり、
今では人材不足とまで言われる程、需要の高い職種となっています。
■「フロントエンドエンジニア」の将来性
スマホの爆発的な普及により、スマホ対応サイトの必要性が高まり、
また、スマホアプリが増えたことでウェブサイトもJavaScriptで「アプリ化」するというリッチ化傾向にあり、
ウェブサイトとアプリの両方に大きな比重を占めるHTML5やJavaScripを扱えるフロントエンドエンジニアは、
web業界では欠かせない存在となっています。
JavaScriptに関しては一般化して以来、
その便利さ、可能性、奥深さが注目されており、
新しい技術が次々に開発されています。
当然のことながら、
JavaScriptで実装できることが増えれば増える程、
フロントエンドエンジニアの必要性もそれに付随するように増していきますので、
その将来性は明るいと言えるでしょう。
■「フロントエンドエンジニア」の年収
web業界では欠かせない存在となったフロントエンドエンジニア。
報酬面でも好条件の求人が多く見られます。
とはいえ、やはり経験、専門知識の豊富さ、スキルによって年収にも差は出ます。
経験のない状態からですと年収300万円程からスタートとし、
経験と共にスキルアップを重ねることで年収400万円程になります。
そこに技術面以外の企画力やディレクション能力も携わった場合、
年収500〜1000万円が見込めるようになってきます。
しかし、それには、目まぐるしく変化するweb業界の情報をキャッチし続け、
時代に合わせて常にスキルアップをしていくことが重要となります。
■企業が求める人物像
バックエンドからデザイン的な部分まで守備範囲が広いフロントエンドエンジニア。
専門的なスキルを持ち合わせているということを企業として求めるのは当然ですが、
その他にも、多方面にダイレクトに関わる職種として、
コミュニケーション能力の高さは強く求められる部分となります。
時にはデザイナーやバックエンド側のタスクを担うこともありますので、
そんな時、デザイナーやバックエンド側が仕事を任せやすいかどうか、
または、申し出がなくても上手く巻き取ることのできる人物かどうか、
そういった柔軟性がスキル以外に求められる部分であり、重要な要素です。